32人が本棚に入れています
本棚に追加
高速の出口で村上さんが起きた。下りてすぐのコンビニで運転をかわる。
「運転助かった。ありがとね」
お礼を言いたいのはこっちだ。いえいえ、これくらい、と首をふる。
運転中、急に真面目になった村上さんが言う。
「あやや、また俺とうどん食いに行ってくれませんか!」
何これ、下手なプロポーズみたい。
え? プロポーズ……いや、告白?
いや、違うか……
「うーん、考えときます」
私の返事に村上さんは、「はあ、やっぱだめか」と頭をかく。
でも……
「けんちゃん、ありがとう」
「え? 今、けんちゃんって……もう一回!」
「村上さん、前見ないと危ないですよ」
「あー、また村上さんに戻ってるし!」
こんなノリも悪くないかなと今は思う。
バックの中で包を開くと、だるまは青色だった。村上さんはピンクのだるまをどこに飾るんだろう。考えるだけで可笑しくなってくる。
またいつか、行ってもいいかな。
あなたとうどん。
ー終ー
最初のコメントを投稿しよう!