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「あやや、明日、うどん食いに行こ」
バイト終わりに村上さんに声をかけられた。
「は? うどんですか?」
そんな返事しかできない私に、村上さんは笑って続ける。
「そ、うどん。ここの駐車場に朝七時集合で!」
人差し指をビシッと突き出した村上さんは、そのまま男性用ロッカールームに入っていった。
私が着替え終わって出た時には、もう村上さんは帰った後で、「はい」とも「いいえ」とも返事ができない。
ラインも何も村上さんの連絡先を知らない私はもう、『うどんを食いに行く』しかなかった。
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