うさぎはしり、からすとぶ

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がいる。 ウチの狭い部屋にがいる。 で溢れていると言っても良いだろう。 『時を戻そう』という呪文も効かないくらいだ。 いつからが入り込み、増殖していったのかは思い出せない。 何年も前かもしれないし、昨日かもしれない。 でも、で溢れているから何年も前とか昨日も今になってしまうんだ。そしてもちろん、明日のことや来月の予定なんかも今になってしまう。 それはが未来に引き起こるであろうことを、今引き起こすという意味ではない。 「未来のことを考えているのは今であって、それは未来の出来事ではない。今はすべてが今である」とは僕に告げた。 そうはその概念を僕に押し付け、僕はそれを受け入れた。 時を戻そう。
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