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葵咲ちゃんの、いつもより熱い身体が力なく僕にすがり付いてくるのが堪らなく愛しい。
鼻先を掠める彼女の吐息も、常より熱を帯びているせいか、一層艶めいて甘露に感じられて。
僕は葵咲ちゃんの負担にならないよう彼女をそっとベッドに寝かせると、覆い被さるようにして彼女の唇をもう一度奪った。
微熱はあるけれど、葵咲ちゃんよりはるかに体温の低くなった僕からは、彼女の口中はとても熱く感じられた。
熱、随分高いに違いない。
38度台か、下手したら39度を越えているかも?
余り無茶をさせるわけにはいかないと思うのに、僕がおずおずと差し入れた舌に、葵咲ちゃんが追いすがるように自分のそれを絡めてきて。
「……んっ」
口付けに隙間が出来たとき、切なく漏らされた吐息が色っぽくて……。
僕は彼女を抱きたいという衝動を抑えるのに、理性を総動員しなくちゃいけなかった。
なのに――。
「りひ、と……。このまま……続け、ても、い、ぃよ?」
とか!
コレ、絶対熱のせいだよね?
いつもの恥ずかしがり屋の葵咲ちゃんからは到底出ない言葉だもの。
もしかして、キミは僕の忍耐力を試したいの?
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