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朝目覚めたら、明らかに身体がおかしいと感じた。
悪夢にうなされたように汗びっしょりだった。おまけに一晩中全身の細胞が活動を続けていたような、極度の疲労感が頭の天辺から爪先まで行渡っていた。
ドキドキと心臓の鼓動が打ち付け、思わず胸を押さえた。控え目に存在を主張していた緑の胸は、少しの膨らみも感じられない。
(ぺったんこだ……)
次に、下半身に手を移動させようとして、一瞬躊躇する。嫌な予感がしていた。
ベッドに寝そべった状態で、パジャマのズボンの中を覗いてみると、それは的中した。今まであたりまえに穿いていた女性用の小さな下着の中には納まりきらないものがある。昨日まではなかったはずのものが、視線の先にある。
(うそ……)
ずっと前から漠然と、いつかこんな日が来るのではないかと恐れていた。予言者の言葉のように、常にもしかしたらと頭の隅に存在していたもの。実際初潮は未だ訪れていなかった。
ごく稀に、初潮が遅い人間もいる。それが自分だ。だから、自分の身にそんなことは起きないだろうと傍観していた。けれど、この日は来てしまった。
お願い誰か、夢だと言って! ――これを晴天の霹靂というのだろうか。
「いっ! いたた…」
起き上がろうと身体に力を入れた瞬間、全身に激痛が走る。
骨がきしむようだ。
「何これ、超痛いんですけど……」
以前、新聞記事で体験者の話を読んだことがあった。
補足の文面には、個人差があると記載されていたが、まるで成長期の成長痛が全身の関節で起こっているみたいだ。
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