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「嘘だよね……?」
別れ話に亮太が涙目で聞き返す。
「最後は握手でお別れしようよ」
最初に握手したみたいに。
「サーヤ、嫌だ……」
「ごめん。やっぱ年下は無理だった」
「何で……」
頬を伝ってる涙を拭いてあげるのが
私だったら良かったのに。
「一緒にいて何か違うなーって」
「何が……」
「でも、楽しかったからさ。ありがとう」
最後は笑っていたい。
亮太の記憶に残る私は笑顔でありたい。
「そんなこと言わないで……」
返そうと思っていた指輪を
ポケットの中で握りしめた。
「ありがとう。亮太」
好きだから、離れたいんだ。
「嫌だ……」
大きい亮太が小さく見えた。
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