召集

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召集

 魔物が増えた。  以前はグニが現れ、退治せずに十日程で魔ネズミ、それからしばらくたって魔兎、それから魔狼………と段階を踏んでいたのに、グニを潰しても猶予なく魔物が現れる。  そうまでなると、さすがに村人たちもンジャヤ一人を頼れない。村人たちはしぶしぶ、グニ潰しにせいを出すようになり、グニ潰しの上手いものは魔物を倒すようになっていった。  それでも、ンジャヤよりも上手に魔物を倒せる者はいなかったし、怪我をせずに立ち回るのはいつもンジャヤばかりだった。  村に、国からお触れが来た。  ンジャヤが都に向かうことになった。  魔物の軍勢と戦うのだそうだ。 「行きたくない」 「ンジャヤは強いもの、大丈夫」 「ンジャヤ、応援してるからな!」  理不尽だ、とンジャヤは嘆いた。  だがどれだけ嘆いたところで、それで行かずに済むよう、出来るわけではない。  村の誰もがンジャヤの活躍を信じているようだった。 (そんなにうまく行くわけ無いのに)  ンジャヤはとぼとぼと、都に向かう乗り物に乗り込んだ。
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