第3章 雨音

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私のLimeには、もともと杏ちゃんと英二と亮太しかいなかったから、蓮さんが4人目の友達になった。 分からない。何で私なんだろう? 蓮さんの周りには、きっと可愛い子とかたくさん集まってくるはずなのに。 ただ遊ばれてるって分かってるけど、でも時々、すっごく真剣な目で見られると本気なんだと錯覚してしまいそうになる。 「美咲、めっちゃ蓮さんに気に入られてるじゃん」 部屋に戻ると、ニヤニヤした顔の杏ちゃんが早速話しかけてくる。 「そんなんじゃないよ、杏ちゃんも遊んでそうって言ってたじゃん」 「まあそうだけどさ、案外ガチのやつだったりして」 「えぇ…?」 「でも悪い気はしないじゃん、あんな大人なイケメン」 「うーん…」 そりゃあ私も新しい恋を見つけられたら、英二のことも吹っ切れるかなとか思ってないわけじゃないけど。 だからって相手が蓮さんって、最初からハードルが高すぎる。
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