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スマホ時代に心霊写真が廃れたワケ
昭和時代ってやたらと心霊写真が流行ってたよな? 夏場になると心霊写真の特集でテレビ欄が盛り上がってた。スマホが当たり前の時代になって、今では誰でも毎日カメラを持ち歩いている。ことある毎に写真を撮るやつだらけだ。それにも関わらず、最近じゃ心霊写真ブームは下火の一方。なぜか?
「心霊写真なんて嘘っぱちだから」
そう考えるのが普通だよな。
俺のダチに言わせたらそうじゃないらしい。本当の理由は「今のスマホカメラには除霊機能がついてるから」だって。俺はそれを聞いたとき大笑いしたね。除霊機能のおかげでスマホで撮った写真には幽霊が映らないんだと!
「じゃあ、ちょっとお前のスマホ貸してみ」
そう言って奴は俺のスマホを勝手に触り始めた。俺は嫌な予感がした。なぜならこいつはパソコンだろうと白物家電だろうと、電気で動いているものなら一度はバラバラにしないと気がすまないってマニアだ。カメラの除霊機能とやらを見せるために、俺のスマホを分解し出すんじゃないかと焦った。
奴は眉間に皺を寄せつつ、俺のスマホの背面を指で何箇所か撫ぜた。その後、何かを見つけたかのように指を止め、その場所を手のひらでごく軽く叩いた。
「これで一度写真撮ってみろ」
奴からスマホを手渡され、俺は最高にふざけた顔で自撮りをした。
「撮れたか? じゃあカメラアプリを一旦閉じて、電源を再起動。そうしたら画像ギャラリーを開いてみな」
俺はゲラゲラ笑った。滅茶苦茶な事を言うくせに妙に真剣な奴の表情が笑えて仕方なかった。
笑いすぎて涙目になりながら、画像ギャラリーをスクロールした。さっき撮ったばかりの自撮り写真、一ヶ月前に旅行に行った先の記念写真、一年前に呼ばれた親戚の結婚式、いつ撮ったのかわからない、誤動作で保存したスクリーンショット……。
スクロールしているうちに、涙の代わりに脂汗が滲んできた。
どの画像にも、余分な人影が一人ずつ増えていた。
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