プロローグ1

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 レシル王国の首都にある集合住宅でとある母娘が暮らしている。  『行ってくるからね。』  娘はギルドのC級隊員として働いているが、母親は最近体調が悪い。それでも無理をして健気に娘を送り出す挨拶をする。  (何とかしなくては)  幼い頃は裕福な暮らしをしていた記憶がある。母親に聞き出せば母は貴族の出自だという。  それが特に手柄を立てられず三代目の祖父が戦死した事で取り潰しとなった。父親は父親と明かさぬ条件で母に自分を産ませたらしい。  (お陰様か私は健康だけどさぁ)  母親は病弱というより過労なのだろう。とにかく娘として支えてやらねばならない。
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