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『土魔法は便利ですか?』
アネッタは魔法学校を出ていない。独学で幾つか簡単な魔法を覚えたが、土魔法は正直役に立つとは思えなかった。
『そりゃあ風や雷の方が先手を取れるから人気が無いし、攻撃に活かしにくいからな。色々工夫しなくちゃ。』
この男なら可能性があると考えたアネッタは即座に教えを乞う事にした。エルドは唐突な弟子入りに少し驚き、うーんと考えている。
(土魔法である必要は無いと思うが。)
しかし彼女はそれなりに才能がある魔法使いだとエルドは推測している。別に自分など切っ掛けとして使い捨てる程度でも多いに今後成長するだろう。
『丁度弟子が一人、俺が得意な魔法を使いこなせる様になったんだよね。』
腕の表面から土と水が湧き出し混ざり合って手が指す方向へ伸びていく。それが幾つにも先端が別れて薬草を一本ずつ抜き取ってみせた。
『これくらい出来る様にはなるよ。』
なるんだよ?と余り爽やかでは無い笑みを浮かべる初老の土使いに対してアネッタは仕方無く頷いた。
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