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「僕はジャンク。シャルロットの恋人だよ」
やっぱり!
そうだと思ったよ。
小説の雰囲気そのままの優しく柔らかな感じ。緩くうねった金髪と下がり気味の目尻が余計に柔らかな空気を醸し出す。
この人がシャルロットの恋人、ジャンク。
「ジャンク……」
「そうだよ、シャルロット。大好きだよ」
お、おおう。
そんなストレートに言われるとどぎまぎしてしまう。夢小説では幾度となく愛の言葉を書いて胸キュンしてきた私だけど、いざ言われると戸惑いを隠せない。
そしてごめん、ジャンク。
私の推しはアズールだから、まったく心動かないわ。
「ごめんなさい、覚えていないの。それに私はアズールが好きなの」
これはもう最初に言っておくべきだと思うんだ。ウィズラブのようにジャンクと恋人になるわけにはいかないんだから。
私の堂々たる告白にジャンクは一瞬ショックを受けたかのように固まったが、すぐに平静を取り戻した。
「そうなんだ……。そうだ、また僕と一緒に本を読もうよ」
「私たちはいつもここで本を読んでいたの?」
「そうだよ。僕はこの図書館で書士をしているんだ。いろいろ教えてあげられるよ」
ウィズラブでもジャンクは書士をしていると書いてあった。庶民だがその才能と実力を認められて国の試験にも合格している優秀な人物だ。
シャルロットが記憶喪失だと言っても大して動じず、むしろ親身になってくれている。さすがオタク女子の間で人気なキャラだ。期待を裏切らない優秀な言動。
この手の握りかたひとつでさえ、彼が優しいことを感じさせてくれるのだ。
ジャンク、すごいヤツだよ君は……。
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