◆ハッピーエンド◆

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「えっと、私記憶喪失になったじゃない?そしたら何ていうかこう、前世の記憶、みたいな?よく知らない世界が頭の中に生まれたんだよね」 「……え?」 意味がわからないといった顔のジャンクだが、私も自分で言っていて意味がわからない。いや、だって、別の世界から来たことを言っちゃいけないんだよね?アズールがそう合図したよね?だから頑張って言い訳考えたんだけど。 チラリとアズールを見ると眉間を押さえながらため息をついていた。完全に呆れている。 「シャルロットは記憶喪失になってから妄想癖がひどいんだ。適当に付き合ってやってくれ」 「妄想癖って!」 「なるほど。だからいつもアズール様が護衛しているんですね」 アズールの嘘にジャンクはあっさりと納得した。誤魔化すにしたっていくらなんでも妄想癖って酷くないかな。 そう思ってアズールを睨むも、 「その通りだ。困ったお姫様なのでな」 と、私を見て微笑むので、その笑顔にやられて何も言えなくなった。 ええ、妄想癖で構いませんよ。 それでアズールの笑顔が見れるなら安いもんだ。ふいにみせる笑顔は反則だってば。
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