引っ越しましたっ

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   真昼たちが街を去ってから一週間後。  門馬龍平(もんま りゅうへい)はひとり、ホームセンターの外に並べられたレモンの木を眺めていた。  小さな木なのに、どうやっているのか、どれも、ちゃんとレモンが二個なっていて、さわさわと風に揺れている。  振り返ると、真昼と通った書店とドーナツ屋が見えた。  ……この街に居るのが寂しくなってきたな、と龍平は思う。  真昼も、あの真昼に関しては愉快な夫、千紘もこの街にはもう居ない。  仙谷先生の大学に行こうかなあ。  そんな風にしんみりする龍平を見つめる影があった。
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