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こんな異世界転生は嫌だ!
突然トラックにぽーんと撥ねられた。
瞬間、“ぴろりん!”となんか頭の中で電子音みたいなものが鳴った気がした。
そして気づいたら、この真っ暗闇の中に放り出されていた俺です。目の前にはスケスケ衣装の女神っぽい人が二人。片方は水色っぽい服、もう片方はピンクっぽい服を着ている。これは、もしや。
「ご来場いただき、誠にありがとうございます!そしておめでとうございます~!」
女神っぽいの×2は、笑顔でパチパチと手を叩いている。
「テツジ様はめでたく、千人目の勇者に選ばれました。というわけで、今回はチートスキルを出血大サービスで二つ贈呈します!お好きなものを選んで、魔王退治頑張ってください!」
「ちょっとまて!?」
なんだその、福引か何かが当たりましたみたいな軽いノリは。
俺は慌てて立ち上がり、ずんずんと二人の女神に詰め寄った。
「俺死んだんだけど!?」
「そーですね」
「それで異世界転生とか同意してないんですけど!?」
「まあ、そーですね」
「チートスキルとかどうでもいいからさっさと元の世界に帰してほしいんだけど!?」
「え?」
「え?」
「……おい待て、なんでそこで二人そろって“ちょっと何言ってるのかわからない”みたいな顔してんの?ねえ?」
美女二人、首を傾げて不思議そうな顔をしている。いやいやいや、同意もなくトラックで異世界転生なんかさせられたら、普通は“ふざけんな!元の世界に戻せ!”ってなるもんなんじゃねーの?俺がおかしいの?
混乱していると、彼女たちは何やら大量のラノベっぽい本をどこからともなく取り出し、真剣な顔で読み始めているではないか。
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