Vocablary

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 水鏡を覗き込み、人間達の様子を見る。  人間が人間らしくなってしばらく経ち、だいぶ身なりも我々神に近づいてきた。けれども、それだけでは僕は人間の発達に満足することはできない。  人間には、言葉を標本にするなんらかが必要だ。歌や神話、日常のありとあらゆる言葉を標本にし、末永く後世に伝えるものが。  今はまだ絵によってだけそれらが記録されているけれども、もっと簡便なものでないといけないのだ。  人としての営みをしているけれども、人間達は未熟だ。しかし、言葉の標本技術が生まれるまで、そんなにはかからないだろう。  人間はなんとしてでも、標本技術を手に入れなくてはならない。  言葉が標本になった時、人間の文化は花ひらくのだ。
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