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私の右肩に額をつけ乱れた呼吸を整える柿本玲司は、私や智生と同じ学科で同じゼミを受けていた。
私と智生がどういう風に始まり付き合い終わったか一部始終知ってて、今も誰に囚われているのか分かってて私を誘う、悪い奴だ。
柿本は微かに震えながら私から出ていく。
「はあ」
彼は体を起こしベッドに腰掛けて、
「お前…締めすぎ。ほら又こんなに出ちゃった」
外したコンドームを摘まんで、私に見せる。
「馬鹿!サイテー」
と言い捨てバスルームに向かう。
でも本当に馬鹿なのは私の方。
口の上手い柿本にのせられ、何度も人肌の誘惑に負けている。
「ヤバい!何度見てもそそる、喪服美人」
軽く汗を流し再び喪服を身に付け始めた私に、まだベッドで寝そべっていた彼が飛び起き声をかけてきた。
「…不謹慎よ」
今夜は私達を指導してくれた竹中先生のお通夜だった。
髪を纏めながら柿本を睨む。
「不謹慎なのはお前もだろ?俺に便乗して乱れまくったクセに」
彼はクスクス笑いながら、床に散らばった衣服を身に着け始めた。
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