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その2
律也は、8段クリア組5人の中で、ダントツに背の低い少年に目を奪われていた。
その彼は抜群の跳躍力で、3人いた余裕超えの中の一人であった。
女の子たちも、その彼にはひと際熱心な声援を寄せていた。
律也はその小柄でさわやかな笑顔が似合う、おそらくは同級の少年が躍動させる全身をひと目収めて、心を掴まれたのだった。
それはがっつりと…。
もっと端的に言えば、彼に恋をした…。
そう言うことだった。
***
その彼とは、予測通り4月の初旬、同じ中学へ共に進学した。
入学式で彼の顔を見つけた律也は、言いしれぬ胸の高鳴りを抑えきれないでいた。
そんな律也は、にわかに下半身を疼かせるのだった…。
そしてその夜、律也は夢精した。
あの小柄な”彼”のハダカを夢に見て…。
それは夢の中でも目覚めてその行為を自覚したあとも、一様に言い表せぬ、規格外の興奮モードであった。
”ちょっとヘン?”…、こんなフレーズがしっくりきた、異体感…。
中学に上がったばかりの一人の少年は、まさに未知に踏み行ったジブンを生々しく受け止めた…。
”アイツのことをもっと知りたい。それで、友達になりたい。何としても…!”
翌朝、思春期真っ盛りな少年は、心の中でこう宣言しつぶやくのだった。
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