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幕間
穏やかな日差しを感じて目を開いた。キラキラ輝く金色。眩しくてまた目を閉じようとしたら、柔らかな塊が瞼に落ちた。
「モカ」
たった二文字なのに、あたたかさが含んだ音。優しい眼差しに、このまま溶けてしまいそう。
「起きて」
促す言葉に、渋々目を開いたら、銀髪の男性が微笑んでいた。
「ええっ?」
慌てて飛び起きた反動で、ギュッと抱きしめる逞しい腕と厚い胸板。
……わたし、どうしたんだっけ?
「ああッ!」
「落ち着けよ」
ポスンと頭を撫でられた。広い手のひらがずっしりと重たくてあたたかい。
「シヴァ?本当に?」
「ああ。モカにはわからない?」
うわぁ。とびっきりの笑顔を惜しげなく魅せた。
「わかる」
ズキューン。いや、バッキュンッ!!ああもうこれは惚れるしかない。
だって一週間ふたりでキャンプしたんだから。声色も匂いも、このぬくもりも、あのかわいい灰色の梟と同じだもん。
「最終の選択で名を叫んでくれた瞬間を一生忘れない。今日から俺の伴侶として添い遂げてくれるんだろう?」
え、何?この距離感。ち、近いんですケド?
「はっ、はは伴侶?」
スッと目を細めて、雄の表情を向けた。
「そう。契りを交わしたら全部話す。今は俺色に染まってくれ」
「お、おお俺色とは?」
言いながらも、ピタッと密着する肌にドギマギしてる。そんな態度も筒抜けなのだろう。金色の瞳がキラリ輝いた。
「意外と鈍いよな?こういう意味」
!!!!
心臓バクバクしたまま、シヴァがぼやけた。じんわり広がったのは、熱くて気持ちいい感覚。
唇を塞いだまま髪を撫でられたらもうダメ。色気と雄味が混在したヒトのシヴァに、抗うことも逃れることも出来なかった。
一緒に過ごした一週間で、灰色の梟に好意を寄せていたのも事実。
約束を果たしたいと思い、もう一度シヴァに会いたい願ったシンプルな理由で、この世界Aliveで生きる選択をしたのはわたし。
そして、心の奥底で惚れちゃったことに気付いていたのもわたし。
……このまま、シヴァとの愛に溺れていいですか?
伴侶としての契約だからといって丸2日間、組んず解れつ、ベットから出して貰えなかった。
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