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石塚と桑畑は病院に運ばれたが、しばらくして石塚の死亡が確認された。
まさかこんな事件に巻き込まれると思っていなかった健と深海は、それぞれ離されて、事件現場で有る桑畑の家の外で事情聴取を受けた。
事件現場にはもう警察の捜索が始まっていたので、何かあれば健と深海もまた桑畑の家で立ち会うかもしれないかと思うと気が重くなる。
無事だった桑畑は頭部を殴打されたものの、抵抗したせいで深傷は負わなかったようだったと、運ばれた先の医師は警察に説明していた。
「石塚さんは残念でしたが、桑畑さんだけでも無事で良かったです。お2人が到着した時には、もう2人は被害にあっていたという事で間違い無いですね?」
管轄の警察署の刑事課の、若い刑事がパトカーの中で健に尋ねる。
「ええ。俺と深海さんは三島からタクシーに乗ってあの場所に到着しました。桑畑さんは犯人を見ていませんか?」
刑事は首を振る。
「マスクにサングラス、帽子を被っていて、顔は全く見えなかったらしいです。男だろうという事は、雰囲気で分かったようですが。室内が荒らされていたので、残された靴跡を今、検証中です」
本当だろうかと、健はまだ桑畑を疑っている。
確かに和室は、少し荒らされていた様だったと健も思い出した。
「桑畑さんは犯人と揉み合ったせいで、頭をゴルフクラブで殴られましたが重傷には至らなかったようです。車の音が聞こえたということで、犯人は裏口から逃げたようですね」
俺たちが到着したから、裏から。ね、と健は心の中で呟く。
「あの、桑畑さんの腕に、噛み跡はありました?」
健の質問に刑事は、ん?と言う顔になる。
「噛み跡ですか?それが何か?」
健はここにくる前に深海から聞いた、石塚の最後の言葉を尋ねる。
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