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「綸」  また呼ばれ肘の辺りを掴まれる。振り払いながら不機嫌に聞く…不機嫌になるのは仕方ないよね。 「…誰?」 「高須正宗」  はっ?マサムネ?私の思考は彼の名字を通りすぎ‘マサムネ’に反応した…マサムネって名前の人はタイプは違えど声がいいのか…? 「…どうして私の名前を知ってるの?」 「調べた」  はっ?調べた…?不穏なことを堂々と言う相手の顔を見上げる。漆黒ミディアムのパーマかくせ毛が無造作ながらにもセットされている。6:4ほどで分けられ額の1/3ほどが隠れているのも彼のセクシーさを増長させているようだ。 「理由は?」 「お前に会うため」 「…頭…大丈夫?会ったことないのに…」  ぶはっ…と吹き出す声が彼の後ろからし 「頭大丈夫って…若、言われたの生まれて初めてじゃないですか?」  小声で言うが私には丸聞こえだ…若? 「綸さん、ギャラリーが集まってます。車に乗って頂けませ…」 「無理です」  後ろの彼が言い終わる前に歩き出す。その後ろの彼が私の隣にすっと寄り 「うちの車、綸さんが今までに聞いたことのないようないい音であなたの大好きな‘マサムネ’が聞けますよ」  一瞬で私の心を奪った。
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