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一転、車中の人となった私に、助手席にいるさっきの彼が
「畠山潤です。よろしくお願いします、綸さん」
運転席からも同じような顔で
「畠山駿です。よろしく」
挨拶してくるがよろしくすることもないし、勝手に調べて名前だけでなく好きな歌手まで知っているとか気味が悪い。だが今の私には重要な目的がある。
「早く聞かせて」
いきなりマサムネのギターが響きイントロから…体が音に包まれる。
♪~可愛い君◯捕まえた とっておきの嘘ふりまいて
さびしい僕に火をつけて◯らんぷり ハート型のライター~♪
心地よいベース音だ…マサムネのラララはずっと聞いていられる…ああ、彼に包まれているよ…私。
「ねっ、いい音だろ?」
良かった…今日はいい日だ…
「ありがとう、じゃあ」
車を降りようとした私を隣から伸びて来た手が掴んだ。
「車、動いてるぞ」
え…知らなかった…隣のワイルドセクシーな彼に聞く。
「…どこ行くの?」
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