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あなたの幸せになりたくて、あなたと幸せになりたくて、甲斐甲斐しく料理をしたり部屋を掃除して待っていたりもしたけれど、気まぐれなあなたはなかなか来てくれなくて、かと思えば肌の調子が悪い時に限って急に来たりして、まぁ本当に振り回されたものだけど、そろそろ終わりにしようと思います。 あなたの幸せが一番よ、なんてしおらしく微笑んだりもしたけれど、その奥の嘘を見抜けないあなたに失望したりもしたのです。 無、無、何にも繋がらない日々が過ぎて、気づけばひとりになっていました。おめでとう。よかったね。お幸せに。祝いの言葉はいつしか呪いに変わり、素直に口から出なくなりました。自分の幸福度が足りていない、と思うから、素直に他人を祝えないのです。ごめんね、と心では思っても、それを伝えられないのです。 何か言いたいのに何にも口から出てこなくて、気づけば自分から距離を取るようになりました。共通の話題が見つからない。共感の話題が見つからない。 無、無、 虚無。
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