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翌日の昼休み Café des Arcs のいつもの席に座り、窓越しの提供敷地に植えられた木々の間の小道を歩く人達を眺めていた。
「美緒先輩……美緒先輩」
「あ、ああ、ごめんね。ボーっとして」
「三崎先生が来ましたよ」
里美が三崎君を見つけて、こっちだよーっと手招きするように手を振った。
一昨日の土曜日に駐車場で会った時、状態が落ちついたから送りはいらないと報告をした。
その時は、詳しく説明する時間もなく中途半端な報告になってしまっている。でも、三崎先生の都合を考えれば、送りをしなくてもいいと言う話は早めに伝えた方が仕事が終わった後の予定が立て易いと考えたからだ。
今日は、離婚する事になったと言う報告しようと思っている。
「こんにちは」
「こんにちは、三崎君、土曜日は自分から呼び止めたのに、先に帰ってしまって、ごめんなさい」
「いや、大丈夫だよ。いつ来るのか分からない相手に自由にならない生活は、大変だったよね」
三崎君が心配そうに私を見て、視線が絡んだ。私は、その視線と外すように
自分の手元を見て話しだした。
「三崎君にも毎日の様に送ってもらって迷惑をかけてしまって、ごめんなさい。野々宮果歩が今は入院して落ち着いているけど、今度、いつ出てくるか分からない状態で、まだ、安心とは言い切れない所があって、警察にも相談に行ったけど、やっぱりな感じで……そんな状態に疲れてしまって……離婚する事になりました」
口に出す決心が鈍らないうちに一気に言った後。
クッと口を引き結び歯を食いしばった。
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