ロジック･モノクローム 〜それは秘密の二人〜 【完結】

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「ただいま」暗い玄関のドアを閉めて、明かりを点けて洗面所に向かう。
　いつものルーティン。
　顔を洗って、駅ビルで買って来たお弁当を食べながら、ノートパソコンを立ち上げ、住宅情報・賃貸物件で検索をかける。さらに南代市(なみしろし)限定にすると物件が絞られる。１０万円以下で入力。駅から徒歩１０分以内。
条件をドンドン絞っていくと物件も振るいに掛けられ、数が絞られていく。
　土曜日までに数件ピックアップをして、不動産屋に連絡して見学をしよう。気に入ったら早々に契約をして、それから引っ越しの準備をしてもいい。

　「賃貸契約に必要な物」で、検索。住民票・印鑑証明書・源泉徴収・保証人関連書・通帳と書かれていた。お金も敷金礼金の他に仲介手数料・前家賃・火災保険料が必要で、ネットで表示されていない掛かる費用があるみたいだ。
　本当になんにも知らなくて、情けないなっと思った。
　土曜日の朝一で、行政センターに行って、印鑑証明書と住民票を取ってこよう。健治と夫婦の状態の住民票を提示して、離婚の事を不動産屋さんに伝えないといけないのかと思うと気が重い。
源泉徴収は、年末にもらったのを取ってある。保証人関連書は、不動産屋に行かないと分からない。

　ふーっ。
　周りを見回す。健治の好みのスタイリッシュな黒と白の家具。私が、所々に置いた観葉植物や小物。２人のバランスをとって調和を見せている部屋。
　あと少しで、この部屋からも離れるんだ。