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 金目鯛が煮上がった所で火を止めた。少し冷めたぐらいの方が取り出すときに崩れにくいからちょうどいい。電子レンジで加熱したインゲンを添えれば彩りもキレイ。  後は、なすの煮びたし、冷ややっこ、ワカメと長ネギのお味噌汁。  仕事を終えてから用意したわりに私、頑張ったんじゃない?  テーブルの上をキレイに拭いて、いつでも食べれるように準備をした。  健治はそろそろ帰って来るだろうけど、今、座ったら動きたくなくなる、先にお風呂を洗っておこう。  お風呂を洗いに行こうと、リビングの扉を開けた所で正面の玄関ドアが開いた。 「あ、お帰り、ゴハン出来ているよ」 「ただいま、手を洗ったらそっちに行くよ」  「うん、よそっておくね」  お風呂洗いは、後回しにして、食事の支度を始めた。  さっき作った、金目鯛の煮つけをやちむんの平皿に盛り付けインゲンを添える。見た目も美味しそうだ。やっぱり、上出来。  テーブルの上に2人分のおかずやご飯お味噌汁が並べた。他のおかずの器もお揃いのやちむんのモノ。    ちょうど、健治が部屋着に着替えてリビングに入って来た。 「風呂、洗っておいたよ」 「ありがとう。助かる」  お風呂を洗ってくれたりなんて、前は、言わないとしてくれなかった。随分、変わったと思う。 「どういたしまして、おっ、美味しそうだな」 「私、頑張ったでしょ!」 「うん、頑張った。」  何でもない日常の温かくて、少し寂しい時間が過ぎていく。
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