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「先輩、ただいまー。お昼ごはん、買ってきましたよ」
「ありがとう。いくらだった?」
とお礼を言い、コンビニの袋を受け取るとお財布を取り出した。
袋の中には、プルーンのヨーグルト、タピオカミルクティー、イチゴのチョコレートが入っている。
「先輩、もう1つあります」
紙袋から取り出されたランチボックスを開けると、サーモンとアボカドのサンドイッチとパストラミサンドイッチが入っていた。
「スゴイ」
「ふふっ、三崎先生からの差し入れです」
「えっ、ヤダ、悪いよ」
「私は、預かっただけですから、自分でお礼を言うなり文句を言うなりしてくださいね」
たしかに、里美の言う通りだ。でも、三崎君にはお世話になり過ぎて、どうしたらお礼を返せるのか分からなくて少し困る。
里美と三人で夕飯でもご馳走させてもらおうかな。
「里美、今度、三崎君も誘って夕飯でも食べようか。土曜日の豪華ランチでもいいよ。2人には、いっぱいお世話になったお礼をしたいの。昨日、離婚届けにサインしたんだ。今日、提出するって言っていたから、今頃は、浅木美緒になっていると思う」
落ち着いて、報告が出来てホッとした。
「えっ、先輩……」
里美の方がビックリして目を見開いたまま、固まっている。
「昨日は、いっぱい泣いちゃったけど、今日は大丈夫。住む所も早く探さないといけないし、手続きもいっぱいあって、泣いている暇がなさそうなぐらいに、忙しくなりそうなの。これからは、たくましく生きていくから応援して!」
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