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Side健治  栢浜(かやはま)市内の病院への届け物と挨拶、今日の予定の最後の病院が終わった。  ここの地区担当にならなければ、この厄介事態を避けられたのでは、とか、もっと早くに帰る事が出来ていれば、美緒を支えて不安にさせる事も無かったのではと思ってしまう。  しかし、元を正せば、俺の不倫が原因で野々宮と不倫などしなければこんな事にはならなかった。  すべて、たらればの話、いつまでも悔やんだ所で無くしたものは帰ってこない。  車の運転席に乗り込み、キーを差し込んだ。エンジンをかける前に、ふと左腕を持ち上げ時刻を見ると時刻は午後6時57分だった。  そろそろ、野々宮成明氏から連絡があるかもしれない。  ジリジリと連絡を待っているよりも、少しでも早く受け取れるように緑原総合病院を目指して移動しようと車のエンジンキーを回した。  サイドブレーキを外した所でスマホが着信を告げる。サイドブレーキを引きスマホをタップした。   「㈱アルゴファーマ 医薬情報担当 統括 菅生健治です」 「菅生さん、野々宮です。書類出来ました。お待たせして申し訳ありません。 今、どちらですか?」 「今ですね、栢浜(かやはま)市内の緑原区富士見台です」 「では、緑原総合病院まで来て頂いてもいいですか?」 「はい、伺わせていただきます」      
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