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午後1時54分 待ち合わせ場所の駅ビルの地下の本屋さんで、インテリアの本を探していた。
んしょっと、高い棚にある本に手を伸ばすけど、触れるのに掴めない。
これは、店員さんに頼まないとダメかも……。
と思っていたら、私の後ろから手が伸びて「これでいいの?」と声が聞こえた。
三崎君が真後ろから手を伸ばしてお目当ての本を取ってくれようとしている。私の肩に三崎君が手を添えている。
「ありがとう、その本が取れなくて……」
「はい、どうぞ。今日はお誘いありがとう」
「ありがとう。忙しいのに急に誘ってごめんね。今日は美味しい物を食べようね」
本を受け取りながら言った。
「先輩、お待たせしました。推しのコミックの新刊が出ていたから買っちゃいました」
「あっ、私もこの本買ってきちゃうね。ちょっと待っていてごめんね」
慌ててレジに行くと幸いレジが空いていてお金を支払い、本をカバンに仕舞う。
三崎君と里美の所に戻り、予約したお店へ向かった。
地下街の奥の方に立つオフェスビルの中に入っている中華料理屋さんは、店内に入ると赤い円卓がいくつも並び、更にその奥にいくつかの個室がある接待や商談などでも使われる高級中華。
予約した浅木ですと入口で告げると、奥の個室に通された。
「円卓の中華って、ワクワク感があっていいですよね」
「お世話になったお礼だから遠慮なくガッツリたべてね」
「そうだね。美緒さんは、食べた方がいいよ」
「そうですよ。先輩は食べなさすぎです」
「すいません」
ご飯に誘ったのにまた注意されてしまった(汗)
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