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翌朝
誰かに抱きしめられているような、柔らくて温かい感触。
花のような甘い香り、甘い声。
「ゆう……」
唇も甘い。
その甘い唇を食む様に、何度も何度もキスをした。
白い素肌を見上げる。
柔らかな胸に手を伸ばした。
そっと包み込み、指先で先端を刺激すると甘い声が大きくなる。
俺の上で甘い声を上げるキミは……。
ブーブーブー・ブーブー
スマートフォンが、朝を告げる。
手をベッドボードに伸ばし、手探りでスマホを取り、アラームを止めた。
時刻は、午前6時30分
ずいぶん艶めかしい夢を見たな、っと起き上がる。
ゴミ箱の横に丸まったティッシュペーパーが落ちていた。
いや、まさか……。
とりあえず、ベッドルームには誰もいない。
えっと、昨日は、駐車場に車を停めて、近所の定食屋さんのおばちゃんに挨拶をした。ぶりの照り焼き定食を注文して、ついでにビールを飲んでいたら、作業員風のおっちゃんに声を掛けられて、会話の中でいつの間にか、健康診断の話になって、相談に乗ってあげたらビールをどんどん追加で飲まされて……。
昨日は、確かに飲み過ぎてしまったけど、多めに見て欲しい。
あれ? 店を出てからの記憶が……。
定食屋のおばちゃんと作業員風のおっちゃんでは、ナイナイ!
まあ、勘違いだな。
っと、シャワーを浴びに、ベッドルームから出て、バスルームのドアを開けた。
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