花守り人の憂鬱

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「これからあの病室へ入っていって、私が目の前で仕事をするところをあの子に見られたら、きっとまた、いやなことを言われる」 「言いたいように言わせておけばいいじゃない。どうせ、私たちのやっていることの意味なんてわからないんだから」  琥珀が眉をひそめて言い放つ。先ほどよりいっそう悲しげな眼差しで、瑠璃は琥珀を見やった。  瑠璃があっと声をあげた。「私、そろそろ行かないと」  挨拶もそこそこに、瑠璃は鉢を手にしたまま目の前の病室へと駆けこんでいく。その姿が扉の向こうへ消えるのを見届けてから、仕事熱心ですこと、と琥珀がぽつりと呟いた。 「いつもいつも、作り笑いばっかり。あの子、いったいどういうとき、ほんとうに笑うんだろう」
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