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モニター画面には、少し歪んだ真っ直ぐな線だけが映し出されている。人工呼吸器の音だけが、部屋の中に虚しく響いていた。
作り物めいた微笑みを浮かべたまま、瑠璃は少年をじっと見つめた。うろたえた様子で、少年は目の前の少女を見つめ返した。
「お祖父様の魂は、この花に写し取って持っていきます。……あなたのこと、恨んではいませんよ。こんな花を咲かせる、とても澄んだ、美しい魂の持ち主ですもの。怒りや恨みを持てるはずがない」
これで仕事はおしまいだった。瑠璃は、開け放たれた窓へ歩いていくと、ふわりと壁を飛び越えて、宙に浮いた。
「待てよ!」
そう言って、少年は窓辺に取りすがった。
ドアが開く音がした。窓の向こうの瑠璃を指さしたまま、部屋に入ってきた医師と看護師に向かって少年が叫ぶ。
「死神だ! あいつ、死神だよ!」
少年を尻目に、一目散に瑠璃は天上へ登って行った。
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