妖艶な狂気を描くこと✽『避暑地の猫』

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妖艶な狂気を描くこと✽『避暑地の猫』

322a817f-57e2-4eac-8a56-8121d8493cff 元の絵は、大学2~3年の頃のもの(↓)随分と違います。080419ae-f31f-46c3-bc3a-f99a6ef54ff1 この頃はやたら模写/スケッチばかりしていました。 女の子を描きたくなる発作あり。 これのモデル分かる人がいたら凄いです。いや、全く似てませんけれど。  ✽猫目を描いて思い出した小説(イラストとは無関係です)✽ 『避暑地の猫』 宮本輝  講談社文庫 軽井沢の別荘番の子・修平が、真面目な父、美しい母と姉とともに暮らしていた夏の日。 別荘主と両親が交わす密約と、秘密の地下室を知ったことで、霧の中を狂気が渦まいていく。 1988年テレビ朝日系列でドラマ化しており、当時放映を見ていたんですよ。……いや、見せちゃ駄目だろ、親! 私、まだいたいけな子どもだったのに!(笑) とは言え、当然幼い自分が理解していたわけもなく、うっすら記憶だけ残っていて「あ、原作読んでみよ」と手にとったのが、大学生の頃です。 狂気や愛憎。 一言で表すのは簡単ですが、登場人物たちの会話で少しずつ絡み合い、ずれていく様を描く。そのグリップ力に、頷くしかなかった記憶があります。 また、トリガーとなる妖艶な女性を描くことの難しさも。 好き嫌いや、ましてやモラルではなく、心情の丁寧な描写を楽しむ。 小説の醍醐味だな、と思わせてくれた小説のひとつでした。
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