朱夏、それは人生の夏 ✽ 『葉桜の季節に君を想うということ』

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朱夏、それは人生の夏 ✽ 『葉桜の季節に君を想うということ』

咳と鼻水が止まらない……。ごんにぢば、未苑です。 一昨日あたりから症状が出始めてびくびくしていましたが、発熱せず、コロナではなくて一安心💦 多分これは夏風邪引く馬……おっと(苦笑) 一部で流行っているようですので、皆様どうぞお気を付けて下さいね~! a4fefffd-508a-436d-9a85-739c5ab552eb 今回紹介する作品に合わせて(?)過去絵を加工してみました。モザイク加工とかはスマホでも出来て便利です。←早くPC買え  *人生の夏といえばこの小説* 『葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午 文春文庫 葉桜(はざくら) ――夏の季語。 朱夏 ――人生の盛り。 猛暑は九月以降も続くようですが、夏が終わる前にこちらの小説を。 自由気ままに女を抱き、スポーツクラブで体を鍛えるタフ・ガイの成瀬将虎(なるせまさとら)は「何でもやってやろう屋」。過去に探偵業を齧っていたこともあり、後輩の芹澤(せりざわ)から相談を持ちかけられます。 依頼主は芹澤の片想い相手・久高愛子(くだかあいこ)、彼女のが交通事故で他界した裏には、ひき逃げ疑惑と健康食品の悪徳商法が絡んでいるという……。 その事件を知ったその日、地下鉄広尾駅で飛び降り自殺する麻宮(まみや)さくらを成瀬は助けます。 新しい恋と轢き逃げ事件、それがいつしか探偵時代の苦い思い出と絡み合っていき……。 日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞ダブル受賞など、とにかく冠が華々しい叙述ものミステリーです。筒井康隆著『ロートレック荘事件』やの綾辻行人著『十角館の殺人』等を思い出しました。 この仕掛けですがストーリーの核となるにきちんと連動していいます。ただトリックが技術的に抜きん出ているだけじゃない、心理面と連動した作品でもあって、読後はそれぞれ感じ方が違うのではないかな、と思います。実際、レビューページを見ると悪評も多いです……(※) これは多分、被害者が(愛子の)おじいさんだから、に所以するんじゃないかと感じました。読者それぞれの●●への無意識の捉え方(ネタバレになるので伏せます)が違うからだと思います。「たくさん蓄えた高齢者」で、悪徳業者が言葉巧みに健康商品を売りつけるトラブルを他人事と思うか、そして成瀬の快刀乱麻の活躍をわざとらしいと思うかどうか……。 驚きか、憧れか、嫌悪か。 誰もがいつか迎える●●への感情、それを揺さぶる意味で面白いミステリー(謎解き)だと思いますが、読了済の方はどう感じられましたか? どんな過去であっても、「人生の輝かしい時」は自分で決められる。 自分を憐れまず、生を全うしたいと改めて実感しました。うん、早く夏風邪治して執筆しないと……(苦笑) ※蛇足 レビューページはどこも、小説にしろ映画にしろマイナス評価は激しい言葉が飛び交っていますね。感想は人それぞれ、分散されているのが健全だと思うので良いのですが「時間返せ」は、少しだけ疑問を感じてしまいます。自分が読んでみるまでは分からないことまで含んでの「読書」「鑑賞」で、「酷かった!」も含めて「体験」。それが次に何を選ぶかの道標になっていくと思いますし、それ自体も愉しみたいです(※それこそ詐欺以外は・苦笑) 同様に「金返せ」もですね。「この作品面白くなかったから返金して」と、平気でレジに突き返すカスハラが横行している日本、ああ、ああ……(;_;) *ペコメへのお返事は次項へ→
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