『必読書150』より精読中①* 『ソラリス』

1/1
前へ
/513ページ
次へ

『必読書150』より精読中①* 『ソラリス』

 3月ですね、菱餅を完食してみたい未苑です。 インフルエンザの咳が何とか収まりました! 完治に1ヶ月、なかなかしぶとかったです💦 まだ流行しているようなので、皆様もどうかお気をつけて下さいね。  d84d9278-0e5c-421d-b51b-f35d89374c2c 今回紹介の作品に雰囲気を合わせて、過去絵(男)と新規絵(女)をコラージュ。女が少し幼いかも💦   *宇宙生命体から哲学を読むSF* 『ソラリス』 スタニスワフ・レム ハヤカワ文庫SF 📖上記の作品はこちらです→https://a.co/hIr5XED(ペコメ欄参照) 年明けから2ヶ月経ったので、今回は2024年目標(https://estar.jp/novels/25793840/viewer?page=463)の⑤ 「『必読書150』より30冊読書」の進捗状況として1冊。 (参考:https://estar.jp/novels/25793840/viewer?page=360 ※なお、開始前の段階で31冊は既読でした) 鬼才・タルコフスキー監督の映画化で有名な、1964年発表のポーランドSF。原作は未読でしたので、この機会に精読してみました。 不思議な海に覆われた惑星、ソラリス。 心理学者・ケルヴィンはソラリス研究ステーションへと赴任しますが、すでに到着していた研究員達の異常な態度に困惑します。この惑星の海への恐怖に駆られるスナウト、謎の死を遂げたギバリャン、自室に閉じこもって研究を放棄するサルトリウス。 「〈お客さん〉に気を付けろ」 と助言された矢先、ケルヴィンの前に〈お客さん〉――死んだ妻・ハリーが現れます。“お客さん”の正体、それは惑星・ソラリスの海が作り出した思念体でした。 妻の死で心に傷を負っていたケルヴィンは喜びと戸惑いの中、〈お客さん〉のハリーとの関係に葛藤し……。 設定こそ、冒頭紹介の映画とほほ同じ内容でしたが、やはり原作での情報量(※視覚情報以外)の多さと〈核〉となるストーリーの違いにびっくりしました! 有機体である海が〈お客さん〉となる〈スーパー・コピー〉の過程では、ニュートリノ、粒子にまで詳しく言及していて、文系の私が理解できているのか怪しい(苦笑) ……とは言え、これは科学書ではなく小説。 この〈お客さん〉は、人の精神をも飲み込んでしまう――包み込んでしまう知的生命体。未知のものに興味、恐れ、怒りを抱いた人間は、果たして敬愛を抱けるのか。 神の〈外〉にある存在を受け止めきれるのか。 故郷(=地球)へのノスタルジーに帰結する映画版とは違い、人間の有限さを問う哲学に満ちていました。 ちなみに、これまた手塚治虫(てづかおさむ)先生の『火の鳥』を思い出しました。〈未来編〉に出てきます、相手の理想通りに物体化する〈ムーピー〉。こちらは友愛的、どころか人間に愛されようと献身的ゆえ、悲劇的な結末に……(;_;) *今回はまだまだ続きます♪→
/513ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加