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〈推し〉を通して気持ちを描く巧さ ✽ 『訳ありイケメンと同居中です!! 推し活女子、俺様王子を拾う』
寒かったり暑くなったりで体温もびっくり、未苑です。10月ってこんなに天気崩れやすかったでしたっけ?💦 もはや恒常性を忘れそう……ひきつづき、温活情報求めております(;;)
せめて、今回ご紹介の小説で心だけでもぬくぬくに!
✽〈推し〉を通して気持ちを描く✽
『訳ありイケメンと同居中です!! 推し活女子、俺様王子を拾う』 東里胡 小学館ジュニア文庫
以前にもエッセイでご紹介した東里胡さん(https://estar.jp/users/318375329)愛称・リコさんの2冊目の書籍作品です! こちらは何と、第9回ジュニア文庫小説賞大賞受賞✨✨ おめでとうございます🎉✨✨🎉✨✨
母親を早くに亡くした花音は中学1年生。推しのアイドル・ジュノくんを心の支えに、親友と共に推し活と苦手な勉強、そして忙しい父との二人暮らしで家事全般に励んでいます。
ある帰り道、カラスの攻撃に遭うジュノくんそっくりなフィギュアを救ったところ、喋り始めました。何と彼は魔法の国から人間界に追放されたルカ王子で、そのワガママさから魔女に体を小さくさせられてしまったそう。
「人を大切に想う気持ちを学ばねば、呪いは解けない」
ルカ王子の執事で面倒見のいいフィリップも巻き込んで、花音はルカ王子との共同生活を始めるものの前途多難で……。
いやもう、可愛く&面白くて一気読みでした♡♡♡
ルカ王子がなかなかに俺様で(笑)中1の花音ちゃんが精神的にすごく大人に見えるのですが、このアンバランスさが良かったです。
個人的に興味深かったのは、主人公と推しメン本人との物語ではなかったことでしょうか……。推し・ジュノくんと見た目がそっくりなのに、中身(花音が推しに求める)が正反対という化学反応がドラマを生む。その上、外見が似ている点を生かした展開にも発展出来るという憎さもあり、巧過ぎますよリコさん!
目的である「ルカ王子を小さくした魔女の呪いを解く」為の行動が、主人公・花音の抱える問題と向き合うことになる。何故、アイドル・ジュノくんを推すことになったのか経緯に触れていくことで、家族の物語に絡んでいくのは流石の筆致でした。
あ、作風自体はとってもコミカルなのも魅力です! 2人のバランサーのフィリップさんはルカ王子想いで人間界まで追いかけて来るんてすが、転生先(?)が花音ちゃんの愛猫。真面目に諭している最中なのに、体は猫なのでマタタビや御飯にゴロニャンしちゃうという(ΦωΦ) うーん、振り回される執事って可愛い♡←不憫(笑)
思えば5年前、私がエブリスタに入り浸るようになった頃リコさんに出会いました。とにかく精力的に新作を発表し続ける姿は、ただもう眩しくて……。
本作のあとがきで御本人が書かれています。
“とにかく本を読むのが好きな子供だった”
小説、物語に救われ、培われてきたご経験が実を結んだ結果ですね! リコさんには尊敬する所ばかりですが、改めて学び直させて頂きましたm(__)m
なお、リコさんは今年に入って3冊も書籍刊行!! うーん、輝かしい✨✨ 今後もご活躍が楽しみです!!
*前々回の投稿で「地の文でどこまで書くか悩む」と漏らしたところ、べコメを幾か頂きましてありがとうございました! 嬉しかったです♡ 小説書きを悩ますこの問題、そのうちエッセイで触れたいです……! 皆様のご意見伺いたいですm(__)m
*『ドロシー』更新ちまちましております💦 年末までには終わらせたいと思います……、頑張れ私(苦笑)
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