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老女は過去を語る/語らない ✽ 『死神邸日和』
こんばんは、未苑です。インフルエンザの咳が残って連日ょゎょゎしております……。舐めていたよインフルエンザ……。
そんな間に、コロナで鳴上さんがお辛そうだったと知りました(涙) 鳴さん、どうぞ引き続きお大事になさって下さい‼ &冬に後戻りの昨今、体調崩しやすい時季ですので、皆さまご自愛ください(T_T)
今回の作品に合わせました。
……って、自分でもびっくりするほど犬ヘタで恥ずかしい💦
✽齢を重ねた者が「語ること/語らないこと」を味わう小説✽
『死神邸日和』 久頭一良 文芸社文庫NEO
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前回の『極彩色の食卓』に続いて、御高齢レディが登場する小説を。
こちらは魔女どころか死神! なかなかの偏屈おばあ様がドラマを動かしてくれます。
親の離婚で母の地元へと引っ越してきた高校2年の楓。ぼっちの楓は群れるクラスメイトに苛立ちを抱える中、“死神”と呼ばれる風変わりな老女を知ります。
クロという、よぼよぼな老犬を連れた老女の近所での噂いわく――
「犬の餌に毒を入れて衰弱死させている」と。
噂に違和感を覚える楓は自分から死神に声をかけ、お屋敷に招かれることに。その庭先には、花壇に造花の青いバラを植えられた不思議な場所。
クロを大事に飼っている様子に「なぜ近所に好きなように言わせておくの」と歯向かう楓に、
「そんなの自分で考えな」「あんたは娘にそっくりだ」
と死神――久美子さんは挑発します。に挑むべく、クロに毒を盛っているのか楓は“死神の検証”を行うことに。
テストを放棄した少年の謎、迷子の小学生の行方、失くしたお守りの謎など、ミステリ好きの死神のヒントをもとに解き明かしていく楓は、ついに久美子さんの娘の謎に迫り……。
ジャンルは「日常&青春ミステリ」でしょうか。
敢えて他人に“死神”呼ばわりさせて孤立する久美子さんは、齢を重ねた人ゆえの痛みと意地を抱えています。楓は謎解きとともに、自分達に似た“ぼっち”の人々と出会い、少しずつ死神との距離を縮めていきます。
年齢差、半世紀以上のシスターフッド+αは、
「他人には好きに言わせておけ」
と、啖呵を切る二人のスタンスが心地良い作品です。
こちらは【第5回文芸社文庫NEO小説】大賞作品。
読み始めこそライト文芸らしさを感じましたが、死神とその娘さんの因縁“青いバラ“の秘密が明かされるクライマックスに唸ってしまいました……。日常ミステリとして十分に読みごたえがあります!
追記
*実を言いますと、今月末〆切の第7回の応募にむけ、傾向対策のために読みました。……しかし、この完成度を知ってすっかり怯みました💦(←正直者)
*妄想似顔絵、モデルの方のイメージに添えるようもう少し粘りたいと思います。待たれていないと思いますけれど、おまたせしてごめんなさい!!m(_ _)m💦
*『ドロシー〜』更新出来ておりません(T_T) 時間みつけ次第、更新します!
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