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プロローグ
青き優美は流れるままに佇み
逆さの盃へと沈む
割れぬ鏡に映る姿は
深淵を包む恵みの環
悪しき道にその身を置き
常なる道理を指し示せ――――
その世界は、“気”で満たされていました。
たとえばそれは、自然そのもの。
たとえばそれは、生命の鼓動。
たとえばそれは、強い感情。
……たとえばそれは、神様の力。
あらゆる力は互いに影響し合います。それは水が高いところから低いところへ流れるように、また、空気が濃いところから薄いところへ流れるように、自然的なものでした。
しかし、その力を利用する存在がありました。生き物です。
彼らは、力――“気”を自らの魂に合わせて変換し、意のままに操れる「魔力」を、そしてその魔力で様々な現象を引き起こす「魔法」を生み出したのです。
人間も、魔法を使う生き物の一種でした。
中でも魔力の扱いや魔法行使に秀でた者は、魔法使いとして国や人々の役に立ち、昔から尊敬されてきたのです。
人間と魔物が共存し、また、争う世界。
これは、そんな世界で起こった出来事です。
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