ドアを開けるといます。やばい奴います。

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時刻は夜の10時頃、街は酒が盛り上がって五月蠅い時刻。 そんな街から離れた人気のない一本道を数少ない電灯の明かりを頼りに歩いている女がいた。 彼女は急いでいた。 早く家に帰りたくてうずうずしていた。 走ることができれば走りたいのだが、ヒールを履いていてもし、走っている最中に足をひねるなんてことが起こったらあの子に迷惑かかるし、バイトにも出れなくてお金が入んなかったら生活費も、医療費もお金の問題が、、 そう、彼女はアルバイトをしている。中学を卒業したと同時に両親のもとから離れてアルバイトのみで生活をしている。 早朝にはコンビニ、夜にはコスプレ喫茶の両方を掛け持ちしていて、生活を維持するために最低でも週4,5日働かないといけないぐらいのアルバイターなのだ。 彼女はヒールを脱ぎ手に持ったまま必死に走った。 女であるプライドを捨てて狭い一本道を走り抜ける。靴下は濡れていて気持ち悪い感触が続く、そういえば、昨日は雨だった。 あの子、雨の日はずっと家でゴロゴロしていたな、私も昨日は久しぶりにバイトがない日だったから、ずっと一緒に遊んでいたけどな。。 あー、昨日は最高だったな。 女はあの子のことばかり考える。 バイトに出かけるときも バイト中も バイトが終わった時の帰り道も スーパーで食材を買い集めるときも 四六時中、女はあの子のことを考えている。 家についた。 築25年の格安アパート、 家賃は8万円と平均的な値段。 駅からは徒歩25分かかり不便であるが近くにコインランドリーとスーパーが並んで生活に困ることはない。むしろ結構いい場所ではないかと思う。 私が住んでいるのは二階の奥の部屋。 古い階段はいつ壊れるか分からないからゆっくり、ゆっくり上っていかなくちゃけないほどの恐怖心と毎日戦っている。 少し不便だ。そして無駄に疲れる。 そんな恐怖の体験をしたあとには天使を呼ぶインターホンの下に 「葛城」 の文字が、あ、自己紹介遅れました。私、葛城美羽と申します。 インターホン下のポスター入れには今日の分の新聞と近くに建ってあるスーパーのチラシが入れ込まれていた。 新聞なんて読まないのになんで契約を結んでしまったのだろう。 月3000円が痛い痛い。。 不快に思いつつ、インターホンを鳴らした。 「はぁーい」 可愛らしく元気のある声。 若々しくて天使のようだ。 ドタバタ。 廊下を走り抜けている音がした。 飼っているが犬がご主人様の帰りを喜んでいるかのような舞いの走りを感じる。 バイト後で疲れた時の癒しであった。 ドアが開いた。 ぎゅっ。 おかえりの一言の前にハグのプレゼントを貰った。 え。 急なプレゼントにより葛城は戸惑う、それどころか体中の汗が止まらなくなり 頭がボーとする。クラクラする。 正常な判断ができないまま。膝からゆっくり崩れ、葛城は気を失った。 こうなってしまうからハグは禁止ってちゃんと前から注意しているのに。。 女は可愛い子供にハグをされてしまうと失神してしますほど、子供による耐久性が欠けているのだ。 ―数分後― 「ねぇねぇ!!、起きて!!」 誰かが私の呼び名を読んでいる声が聞こえる。しかも、涙ぐんで言葉が濁ってしまうぐらい声を出すことが難しい。 それほど、私を必死に求めているのは誰?? あ、思い出した。この声は天使だ。 私と一緒に暮らしている天使だ。 天使ちゃん今行くよー!! 葛城は目を覚ました、目の前には泣いている小さな女の子がいた。 髪は薄ピンク、目はカラーコンタクトもしていないのに水色が輝いた瞳の作り。 肌はツルツルで頬は饅頭のような弾力がある。口はリップをつけ忘れているせいか 少しガサガサしている。目元付近には切り傷が。 身長は日本の幼稚園生とほぼ同じ。体重も。 「ねぇねぇが急に倒れるから死んだのかと思ったぁぁぁ!」 心配する幼女を私はそっと頭を撫でで「ごめんね」っと謝った。 「泣いたから暑い、脱ぐ」 幼女が上着を脱いだその瞬間。 黒のインナーから赤黒く染まった血が右鎖骨付近から乳首までべっとりついていた。 女はあることに気づく。 「そういえば、この子プロの殺し屋じゃん。」
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