文化祭作戦

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「つまりね。“お願いします”ってのはやめて、“どうすればいいですか?”に変えるのよ」  絵麻は白いチョークで黒板に書きながら高木くんに説明した。高木くんは一番前の席に座り、板書の文字を見つめている。   【 × お願いします →自分から相手。(一方通行)  ◎ どうすればいいですか?→自分から相手へ、相手から自分へ。(相互関係) 】 「分かる? お願いを質問に変えることで、他人事から自分事にしてもらうわけ」  絵麻は高木くんのまん丸な目を見た。 「ほうほう。確かに、一方的にお願いしますって言われるよりは、親近感がわくかも」 「でしょう!」 「でも、具体にどうやってくのさ」 「それはね――」  絵麻は上唇を舐めた。我ながら革命だ、そう思い深くうなずいた。
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