はちが書店の花束

文化祭作戦

まずは商店街に一軒ずつ頼みにいった。単に『本を買ってください、お願いします』という内容ではない。はちが書店が閉店の危機にひんしている、どうすればいいだろうか？ という内容だ。
　つまり、巻き込むのだ。
　はちが書店の再建をひとつのイベントにする。街のみんなで参加するイベントにして盛り上げていくのだ。
　文化祭作戦。
　絵麻はそう名付けた。
　その作戦は予想よりも順調に波に乗り始めた。商店街の店主たちが、はちが書店を救うために動きはじめてくれたのだ。
　感動したのは、ある日、商店街中がハチビーくんのポスターでにぎやかになったことだ。靴屋にも、雑貨屋にも、ハチビーくんのポスターが飾られた。