はちが書店の花束

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二日後――。  学校に行くと、影山くんが駆け寄ってきた。 「おい、大丈夫だったか」  火事のことはニュースにもなったので、事情は察しているらしい。 「うん……」 「残念だったな」 「フッ。別に思ってもないでしょ? 影山くんは最初からわたしのことを下らないって言ってたじゃない。まあ、ある意味あんたが言ってたことが正しかったのよ」 「ぼくはそういうつもりで」 「ごめん。しゃべんないで」  絵麻は教室を出ていった。誰ともしゃべりたくない。それだけだった。  どういうわけか、この日を境に影山くんは学校に来なくなった。
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