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「分かった」
絵麻は太宰治の「走れメロス」をタッチした。すると――
注文を確定しますか？
希望のお届け日時は？
と表示された。
「えっ！！ なにこれ」
「そこはまだ開発段階なんだけど、完成すれば実際に本を買うことができる」
「ウソー！ すごーい」
絵麻はゴーグルを外した。
「影山くんが作ったの？」
「ああ」
「あ、だから学校休んでたんだ」
「まあね」
「驚いた。こんなすごいもの作ってたなんて」
「これで、はちが書店は永遠に存在する。これがテクノロジーの力だ」
影山くんがとても大人の男性にみえた。
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