夕焼け色のアイツ

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痛々しく零す言葉達に足るものが見つからない。彼女はずっと囚われている。過去に。あの日もこんな夕闇染まる空の下で過ごした。その頃の彼女はとても幸せそうで、夕陽よりも太陽みたいだった。僕もそんな彼女が好きで惹かれた。だけれど、あの日以降彼女は一切心から笑わなくなった。 「…教えて、下さい。私は …」 彼女は今もずっと探し求めて止まない。あの日から。その三文字の答えを。 ずっとの先を探し求めているのだ。 その後の文脈が全てを物語るこの三文字の答えを。 「…もう、やめようよ」 「…どうしてですか」 「…嫌だからだよ」 「わかりません」 「僕もだよ」 「私は!何も!わからない!あの日から進めずに…ずっと…」 禁断の三文字から先は彼女が口にすることは出来なかった。 彼女はあの日、恋人からの「ずっと」のその先を聞く勇気がなかった。 その場を濁して終わらせてしまった彼女は翌日に起こったによってその先を聞く術をなくしたのだ。 幼馴染で初恋相手の彼女の病んでいく姿は見ていられなかった。僕は彼女の笑う顔が好きだったから。だから何度もやめようと説得した。この話はやめようと。だけれど彼女は自責の念で己を圧し潰し続けている。僕の言葉ではいくら語り続けても届かないのだ。 「…教えて、下さい」
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