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そう言われて、困惑する綿星。
「占いと前世のセットとしても、この料金なの? 最初に料金、聞いてなかったしなぁ〜。」
「そうでしたよネ。すいません。でも、皆さん。この金額で来られていますゥ。」
綿星の前で、謝りながら説明するメグ。
その状況の中で、メグを見ながら話を聞いている綿星は、透き通るような白い肌と、吸い込まれそうな青い瞳に魅了されていく。
長いブロンドの髪がより一層に色気を感じさせ、喋る唇は潤いを見せながら、その愛くるしさを漂わせるのだ。
そのうちに、メグ自身から放たれる、可憐な花のような匂いは、綿星を包み込んで離さなかった。
決して露出のほとんどない衣服を身に着けているメグであったが、それでも全身から醸し出される女性としての色気を、綿星は感じずにはいられなかったのだ。
途中から、メグの説明内容はよく聞こえずに、綿星はただ魅惑の幻想へと吸い込まれていく。
綿星は言葉を失い、乾いてきた喉にゴクリと唾を飲み込んだ。
そうして発した言葉は、
「・・ま、まあ、俺の方も料金を聞かなかったのも悪いし。それに有名な占い師なら、今までも、それに近いぐらいの金額を払った事あるし。」
と、自分でもよく分からなくなっていたのだった。
そして、メグが懇願する目でそっと言う。
「この収入で、私は姉妹たちと生活しているんデス。エイミーとベスは、まだ幼いですし。」
そう言われて、ハッとした綿星が話しはじめた。
「そうだよね。四姉妹で必死に日本で生活していかないといけないからね。そうだった。俺は、その手助けをするって言ったばかりなのに・・ね。」
そうして、急にサイフを取り出す。
「俺の方こそ、ごめんね。占いと前世を見てもらってるのに、支払いを渋るなんて・・。情けないよね。」
綿星は、メグに3万2000円を支払った。
「ありがとうございますゥ。」
笑顔で、お礼を言うメグ。
「いや、良いんだよ。メグちゃんたち姉妹の助けになるなら。」
照れながら、綿星は言った。
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