ケース6️⃣ 前世転生

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やがて綿星は、出入り口のドアを出て、下りてきた階段をのぼっていく。 そして登り詰めた所に、また出入り口のドアがあり、そこから外へと出た。 後ろから、四姉妹たちが見送りに付いてくる。 今まで圧迫感のある地下にいたせいか、綿星は外の空気の解放感に安堵した。 最初来た時にはなかったはずの黒い看板が、今は入口横の壁に掛けられている。 白い文字で、『カルマの館』と書かれていた。 「今日は、ありがとう。」 綿星が、四姉妹に告げる。 すぐにメグが手を差し出してきて、綿星に名刺を手渡した。 「こちらこそ、ありがとうございました。また、是非来てくださいネ。」 その透き通るような滑らかな柔肌の手を感じ、綿星は一気に全身が熱くなる。 その時点で、ジョオは相変わらずシュールな表情で腕組みし、ベスはその後ろ辺りでじっと見ていた。 ふと、片手にゲーム機を持っているエイミーが、何か綿星に告げる。 「Please come again .」 それに対して、綿星は聞き返す事も出来ず、ただエイミーを見ながら戸惑っていた。 すぐに、メグが通訳を入れる。 「また来てね、ってエイミーが言ってマス。」 ようやく綿星の表情がほぐれて、微笑みを返した。 「あ、ああ。そうなんだね。ありがとう! エイミーちゃん。」 じっと黙ったまま、綿星を見つめ返すエイミー。 「じゃあ、また来るよ。」 綿星は改めて、四姉妹に伝えて手を振る。 「綿星さん。待ってますネ。」 メグが愛くるしい顔で、手を振り返した。 ゲーム機を持ったまま、同じく手を上げるエイミー。 ジョオとベスは、じっと見ている。 綿星は、見ず知らずの裏通りを歩き去っていった。 『カルマの館』の入口に立ち、消えていく姿を見送る四姉妹。 そこへ別の通りから、歩いてやってくる40歳代ぐらいの一人の女性。 「あの、すいません。ここって、占いしてもらえるんですよね?」 笑顔で、メグが返答する。 「はい。いらっしゃいませ。ここ『カルマの館』では、占いと前世を見ていマス。」 そう言われた後、その女性客は促されるまま、四姉妹とともに入口へと入っていった。 どうやら、次のお客が来たようだ。
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