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「いや、良いんだよ。俺は焦らない男だ。大丈夫。大丈夫。じっくり恋愛を待っているよ〜。」
綿星は、諭すように伝えた。
「では、健康運ですが。病気などは、全くないですネ。健康そのものデス。」
メグが言うと、調子に乗ってきた綿星が、言葉を返す。
「そうだろう。そうだろう。今まで、ほとんど大きな病気なんかした事ないし。これから、大恋愛と夢の就職活動が待ってるんだから、病気なんかしてる暇ないよ〜。」
その時メグの表情が変わり、不安そうに話しを続けた。
「ただし・・・。この運気上昇を阻む、失敗の気、には注意してくだサイ。」
そこで、綿星の顔色も変わる。
「え? 運気を阻む邪魔モノがあるの?」
「そうデス。でも、それはそんなに難しい事じゃない。ソレに対して、守りに入るのではなく、未来に向かって飛び込む感じ。そうすれば、あなたはチャンスを掴む事ができマス。」
メグが、力強い言葉で教えてくれた。
綿星は、恐る恐る尋ねる。
「じゃあ、・・そのチャンスを逃したら、どうなるの?」
メグは一瞬、キリッとした眼差しを向け、そして静かに目を閉じて言った。
「そしたら、・・・あなたは、全てを失いマス。全て、ゼロになりマス。」
「ゼロ⁈ 全て失う・・?」
綿星は、脱力した感じで呟く。
メグが、笑顔を注ぎながら告げた。
「アナタは、その運気を・・チャンスを逃さないようにすれば、大丈夫ですから。」
「わ、分かった。そうだよね。メグちゃんのアドバイス通り、気をつけるから。」
綿星が、やっと笑顔を取り戻す。
そして、そのまま調子に乗って尋ねた。
「ねぇねぇ。メグちゃんって、いくつ?」
聞かれたメグが、それに答える。
「私ですか。年齢?・・19、ですけど。」
「19⁈」
綿星がまた、大声をあげた。
「メグちゃん。19歳なんだ〜。思ってたよりも若いし、大人の魅力がアリすぎだろ〜。」
綿星は嬉しそうに、まるで品定めでもするかのように、メグを見ながら言う。
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