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「そんな事〜ないですヨ。大人の魅力なんて、まだまだありません。」
メグが、少し照れながら言った。
そこへ、綿星の質問は続く。
「じゃあさ。彼氏とか、いるの?」
「え? いませんヨ。」
「いない⁈ マジか⁈ 彼氏いないのか⁈ ・・・よ〜し‼︎」
綿星は今までにないぐらいの大声をあげて、突然その場に立ち上がった。
「神はまだ、俺を見捨ててはいなかった。・・いや、今日こそが、本当の出逢いの訪れなんだ。」
そこでメグが、一つ溜息をついた後、また笑顔で綿星に伝える。
「あの〜、綿星さん。落ち着いて座ってくださいネ。ある程度占ったので、次は『前世』を見たいのですが・・。」
「あ、ああ、そうだったね。悪かったよ。」
綿星は申し訳なさそうに、椅子へと座り直した。
メグはまた、真剣な表情に戻り、両手をかざして綿星を見つめる。
暗がりの部屋に、少しの沈黙が続いた。
やがて、メグが口を開く。
「綿星さん。アナタは前世・・・・、アメリカにいました。アメリカ人ですネ。」
「あ、アメリカ人⁈」
そして突然、メグが驚いた様子で声をあげる。
「アメリカ・・・・。Oh! 凄い! しかも、ボストンです! 実は私、アメリカのボストンから来ました。偶然デスネ。」
綿星もそれを聞いて、驚きを共感した。
「おお!そうなんだ!君はボストンに住んでいたんだ!偶然というか、凄い巡り合わせだよ!」
メグは、気持ちを抑えるようにしながら話し続ける。
「アナタは、・・うん。男性でした。名前は、ジョーイ。30歳ぐらいのアナタが見えるわ。」
綿星は、黙ったまま頷いた。
更に、メグが興味深そうにしながら、内容を告げる。
「そして、アナタは・・ジャズダンスの先生をしていたみたいネ!」
綿星がメグに尋ねた。
「これが本当なら、運命なんじゃないかな。ほら、聞いた事あるだろ? 前世で夫婦とか恋人だった二人が、また生まれ変わって別の場所で偶然出逢う、みたいな話。俺たち、ボストンで会っていた可能性もあるよね。メグ。ジョーイって男性に、覚えはないかな?」
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