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その美しい顔に、綿星は胸が熱くなるほど絆《ほだ》され、浮ついた言葉を放つ。
「メグちゃんは、優しいなあ。そして美人だし。まあ、前世での出逢いなんて関係ないから、大事なのは今とこれから。もし良ければ・・。」
その時、入口のドアが開いて、誰かが入ってきた。
綿星がその主を見てみると、小さな女の子が立っていたのだ。
その子がアメリカ人であろう事は、その容姿を見てすぐに判断できる。
メグと同じ青い瞳をしており、髪はブロンドで長く後ろに大きなストライプのリボンをしていた。そして、ブルーのワンピースを着ている。
その女の子は、メグに向かって言った。
「Hey,Meg!」
それに対して、メグが返答する。
「Hi! How was it?」
女の子は、そそくさと返した。
「It has been repaired.」
その後、メグはハッとして綿星に告げる。
「あ、すいません。突然で・・。エイミーです。」
綿星は、少し呆然とした表情で、言葉を繰り返した。
「エイミーちゃん・・。」
メグは、またすぐにエイミーに告げる。
「This person is a customer.」
そして、エイミーが丁寧に頭を下げながら、綿星に挨拶した。
「コンニチワ〜。」
メグが申し訳なさそうに、綿星に言う。
「すいません。この子、あんまり日本語が話せなくて・・。」
綿星は、不意を突かれたように戸惑いながら答えた。
「あ、いや、・・大丈夫、大丈夫。俺も英語、全く出来ないし。」
メグは、苦笑いしている。
そして綿星は、まるで急に我に返ったように声を張り上げた。
「・・え⁈ え⁈ ええ〜⁈ もしかして、・・メグちゃんの子供⁈ 彼氏いないって言ってたけど、実は結婚している、ってオチなの⁈ それとも、バツイチ⁈」
その様子に、メグも一瞬驚いた表情をしたが、すぐにクスクスと笑い出す。
よく理解出来ずに、メグをじっと見ている綿星。
メグが、笑いを堪《こら》えて言った。
「すいません。笑ってしまって・・。エイミーは、私の妹デス。10歳なんデス。」
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