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「わ、私のは純愛の結果として、仕方なくしてしまっていることだから問題ないのよ! 坂下くんをもっと近くで見たかったから、思わずやってしまっただけなの! あんたみたいに身勝手に人の家に入って盗みを働いている人間と一緒にしないでよね!」
「じゃあ僕があなたのこと警察に通報しても問題ないってことですよね?」
「できるもんならしてみたら? あんたも捕まるわよ?」
「泥棒に入っているところを人に見つけられてしまった時点で、運が無かったんです。警察のお世話になることを受け入れますよ。それが僕の運命だったということです」
「なにコソ泥の癖にかっこつけてんのよ!」
そんな話をしていると、押し入れの襖が勢いよく開いた。部屋の光がサーチライトみたいに、押し入れの中の2人を照らす。目の前には、切れ長な目が特徴的な、可愛らしい顔をした大学生くらいの男の子がムッとした表情で立っていた。
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